◆ 「MTGでTRPG」行動判定のルール ◆

 行動判定とは、PCの行動が成功したか失敗したかを決めるためのルールです。
 GMが「その行動は、成功する可能性も失敗する可能性もある」と判断した場合、PCが行動判定を行います。
 例えば、「PCが忘れていた知識を思い出そうとする」「重そうな岩を持ち上げようとする」等のときです。
 行動判定の基本は、ライブラリーの上から1番目と2番目のカードを公開して、点数で見たマナコストを比較することです。


●1節 行動判定の流れ
①判定の種類と、難易度決定。
 GMが、判定の種類と難易度を決める。
 判定の種類は、白、青、黒、赤、緑の内1つ(詳しくは後述)です。
 例えば、赤判定(難易度:4)というように決めます。
②目標値の決定
 判定を行うプレイヤーは、ライブラリーの上から1番目と2番目のカードを公開。
 1番目に公開したカードの「点数で見たマナコスト」に、①で決めた難易度を足す。
 これが、目標値。

③達成値の決定
 2番目に公開したカードの「点数で見たマナコスト」に、判定の種類ごとに異なる「色の修正」を足す。
 これが、達成値。

 「色の修正」は、「判定の名前と同じ色なら+5、その友好色なら+3、対抗色か無色なら+0」です。
 また、大事な点として、基本土地タイプを持つ土地は、基本土地タイプに対応する色としてあつかいます。
 例えば、《森》は緑としてあつかい、山と島である《蒸気孔》は青赤としてあつかいます。
④判定結果の決定
 達成値が目標値以上なら、行動判定は成功。
 未満なら失敗。
 つまり――
 判定成功:目標値<=達成値
 判定失敗:目標値<達成値
 例外として、あらかじめ決めた3枚のカードが公開された場合、目標値、達成値に関係なく、自動で成功、失敗が決まる。
 詳しくは、3節の「自動成功、自動失敗のルール」。
⑤公開したカードをライブラリーの下に。
 公開した2枚のカードは、無作為の順番で、ライブラリーの一番下に置く。

 例えば、PCが「重い石の扉を、腕力でこじ開ける」ことを試みた場合。
 まず、GMが、この判定は「身体の緑判定」であり、難易度は2であると決めます(①)。
 次に、判定を行うPCが、自分のライブラリーの一番上のカードを公開。
 それが、《エルフの神秘家》なら、点数で見たマナコストは1。
 それに難易度の2を足して、「1+2=3」が目標値になります(②)。
 判定を行うPCは、2枚目のカードを公開します。
 2枚目に公開したカードが《ルーン爪の熊》なら、点数で見たマナコストは2。
 《ルーン爪の熊》は緑なので、身体の緑判定では+5(最大)の修正を受けられます。
 達成値は、「2+5=7」です(③)
 達成値7は、目標値3以上なので、判定は成功です(④)。
 最後に、《エルフの神秘家》と《ルーン爪の熊》を裏向けてシャッフルした後、ライブラリーの一番下に置きましょう(⑤)。


●2節 行動判定の種類と「色の修正」
 行動判定には、以下の5種類があります。
 5種類の判定で何が出来るか、詳しくは↓
http://leveler.diarynote.jp/201709122121195567/
交渉の白判定
 白いデッキが得意として、対抗色(赤黒)が苦手とする。 
 集団を統率できるか? 味方を攻撃からかばえるか? 手当てを出来るか? 誘惑をはねのけられるか? 社会的地位があるか?
 例: 怪我人のNPCに応急処置ができるか?
 情報収取の際、偉い人とコネクションがあるか?
知力の青判定
 青いデッキが得意として、対抗色(緑赤)が苦手とする。
 知っているか? 推理を上手くできるか? 道具を作ったり、使ったりできるか?
 例:古代魔法語を読めるか?
利用の黒判定
 黒いデッキが得意として、対抗色(白緑)が苦手とする。
 盗賊の技術をうまく使えるか?
 法律やモラルを無視して、思い切った行動がとれるか?
 例: 針金で、カギを開けられるか? 
瞬発の赤判定
 赤いデッキが得意として、対抗色(白青)が苦手とする。
 とっさに素早い動きができるか?
 素早く判断できるか?
 感情を煽ったり、燃やしたりできるか?
 例:一瞬前に、相手の奇襲に気付けるか?
 短距離走など、瞬発力のいる運動をうまくできるか?
 ピンチの場面で良い考えが思いつくか? 
身体の緑判定
 緑のデッキが得意として、対抗色(青黒)が苦手とする。
 肉体を使って、重いモノを動かせるか?
 運動が上手くできるか?
 観察して何か(匂い、音含む)を見つけられるか?
 記憶を思い出せるか?
 例:道をふさぐ岩を動かせるか? 
 食べてしまった毒に耐えることができるか?


 行動判定の種類と達成値を決めるために公開したカードの色のよって、達成値にプラス修正が加えられます。
 判定の名前と同じ色なら+5、その友好色なら+3、対抗色か無色なら+0。

     白判定 青判定  黒判定 赤判定 緑判定
白か平地: +5   +3   +0   +0   +3
青か島 : +3   +5   +3   +0   +0
黒か沼 : +0   +3   +5   +3   +0
赤か山 : +0   +0   +3   +5   +3
緑か森 : +3   +0   +0   +3   +5
 上の横列が、判定の種類。
 左の縦列が、達成値を決めるために公開したカードの色。
 交点が「色の修正」です。
 基本土地タイプを持つ土地は、対応する色としてあつかう、という点に注意してください。


●3節 自動成功、自動失敗のルール
 特定の条件を満たすと、目標値と達成値に関係なく判定結果の成功、失敗が自動で決まります。
 あらかじめ、ゲーム開始時に、デッキのメインボードに入っているカードの内3枚を、自由に指定します。
 行動判定の目標値を出すときに指定したカードが公開されれば「自動的失敗」
 逆に、達成値を出すときに指定したカードが公開されれば「自動的成功」
というルールです。

 具体的なルールは以下の通り。
・シナリオ開始時、デッキをシャッフルする前に、デッキ内のちょうど3枚のカードを指定する。
指定するカードは、出来るだけ、以下のいずれかにする。
 「デッキに、ちょうど3枚入っているカード」
 「デッキに、ちょうど2枚入っているカードと、ちょうど1枚入っているカードの組み合わせ」
 「デッキに、ちょうど1枚入っているカード3種類」

 どのような3枚のカードを指定しても良い。
 ただし、指定したカードは、「表面を見れば、ハッキリと他のカードと区別できる」ようにしておかなければならない。
 例えば、そもそもデッキに3枚しか入っていないカードの場合、何もしなくても、他のカードと区別できます。
 あるいは、一番多く入っている基本土地の内、指定した3枚だけを裏向けてスリーブに入れておくのも良いでしょう。
 余裕があるなら、「基本土地の内、指定した3枚だけフルアート土地」などにしてみても良いかもしれません。
 他のどのような方法でもよいので、指定したカードは「表面をみれば、絶対に他のカードと混同しない」ようにしてください。
 (もちろん、通常のMTGのルール違反とならない方法で!)

 また、指定したカードは、サイドアウトできません。
 逆に言えば、指定するカードは「常にデッキのメインボードに入っているカード」にしてください。

 印となる小さな紙を、スリーブの中に入れておいても良いでしょう。
 スリーブを使っていない、あるいは指定したカードが両面カードの場合は、そのデッキに入らない色の基本土地か《甲鱗のワーム》と入れ替えておくのがお勧め。
 (ただし、戦闘パートの間は、元に戻しておく。)

 統率者戦(EDH)のデッキの場合は、3枚ではなく、ちょうど5枚のカードを指定する。
 その場合、「デッキに、ちょうど1枚入っているカード5種類」でなければならない。
 
・行動判定時、目標値を決めるために公開したカードが、指定したカードであった場合、その判定は自動で失敗となる。
 目標値や達成値は関係なく、失敗。
 判定の都合で目標値が必要な場合は、20としてあつかう。
・行動判定時、達成値を決めるために公開したカードが、指定したカードであった場合、その判定は自動で成功となる。
 目標値や達成値は関係なく、成功。
 判定の都合で達成値が必要な場合は、20としてあつかう。
・目標値と達成値を決めるために公開したカードが、両方指定したカードであった場合、公開されたカード2枚をランダムな順番でライブラリーの一番下に置く。
 その後、目標値と達成値を決め直す。
 ライブラリーに、指定したカードしか残っていない場合、行動判定は失敗となる。
・指定したカードは、判定意外では、通常のカードと同じあつかい。
 例えば、手札にあれば、冒険パート中に手札から唱えることもできる。
(2018.7.31ルール変更) 


●4節 行動判定ブーストのルール
 絶対に成功したい判定の場合、「行動判定ブースト」で達成値にプラス修正を加えることができます。
 まず、ライブラリーの上から36枚のカードを、ターンあるいはシーン終了時まで追放。
 追放された「無色カードの枚数」だけ、達成値にプラス
します。
 例えば、「森」「山」「ルーン爪の熊(1)(緑)」「変異エルドラージ(欠色)」「甲鱗のワーム(7)(緑)」「ラノワールのエルフ(緑)」の6枚が追放された場合。
 無色は「森」と「山」と「変異エルドラージ」の3枚。
 なので、達成値に+3できます。

 行動判定ブーストは、1つの行動判定に対して、1回のみ使えます。
 行動判定ブーストは、冒険パートなら1シーンに1回。
 戦闘パートなら、1ターンに1回のみ使えます。

 ライブラリーが6枚以下の時、行動判定ブーストは使えません。

 具体的な手順は以下の通り。
①「行動判定ブースト」を使うと宣言。
 宣言のタイミングは、目標値と達成値が決定した後。
②ライブラリーの上から36枚のカードを追放。
 行動判定ブーストで追放したカードは、⑤の際に忘れないように「ライブラリーの上に横向きで置いておく」と良いでしょう。
③追放された「無色のカード」の枚数だけ、達成値にプラス。
④改めて、判定結果を決定。
⑤追放したカードは、シーンあるいはターン終了時にランダムな順番でライブラリーの一番下に。
 ここでいう「シーンあるいはターン終了時」とは、終了フェイズ中のクリンナップステップのことです。
 「ブーストに使ったカードがライブラリーに戻る」というイベントは、スタックには乗らずにすぐに行われます。
 行動判定ブーストによって追放されたカードは、シーンあるいはターン終了時になるまでは、いかなる方法でも追放領域を離れません。
 (2018 .7.24.追放する枚数を3枚から6枚に変更)

●5節 行動判定の詳細ルール
・達成値を決めるとき、2色以上のカードが公開された場合、どの色としてあつかうかは、ランダムに決める。
 例:身体の緑判定で、達成値を決めるために公開したカードが、緑と青のカードだった場合。
 緑としてあつかうか、青としてあつかうか、コイントスなどでランダムに決める。
 緑あつかいになれば、達成値の計算時に+5修正を得られる。
 青あつかいなら、+0修正しか得られない。
 ランダムに色を決める際、↓の選択ルールを使うこともできる。
 http://leveler.diarynote.jp/201707242131523219/
・ライブラリー上にあるカードを、プレイヤーが知っている場合、判定の間のみプレイヤーに知られているカードをすべて追放する。
 ここで追放したカードは、判定終了後に、同じ順番でライブラリーの上に戻る。
 ライブラリーのカード全ての順番がプレイヤーに知られている場合は、GMが、適当な数字(できるだけ順番操作の影響がないよう考える)を宣言して、その枚数のカードを追放する。
 さらに、1/2の確率で、目標値と達成値を決める順番を逆にする。
 (つまり、1番上のカードを公開して、先に達成値を決めてから、2番目のカードで、目標値を決める。)
 判定の手順中は「未来予知」などライブラリーの一番上を公開する効果を無視する。
・行動判定の手順中は、いかなるプレイヤーも、優先権を得ない。
 例えば、目標値の決定と達成値の決定の間に、インスタント呪文を割り込ませることはできない。
・原則、1人のPCが、まったく同じ行動判定を2回以上行うことはできない。(2018.3.27.追加)
 ただし、戦闘パート中の「逃亡判定」は例外。
 逃亡判定は、1ターンに1回ずつ行える。
 何らかの原因で難易度等が変わるなどして、まったく同じ判定ではなくなった場合は、再挑戦可能。
 同じ名前の回復アイテムを複数回使う場合等は「同じ判定」とはみなさない。

↓「MTGでTRPG」基本ルール もくじ
http://leveler.diarynote.jp/201804172303266378/
↓基本ルール 3章 冒険パートのルール
http://leveler.diarynote.jp/201805012307027615/

 「MTGでTRPG」は、まだまだ、作成途中のハウスルール(遊び方)です。
 「MTGでTRPG」に関して、ご意見・ご感想等ありましたら、コメント欄に書いていただけると嬉しいです。

 今回は、以上です!

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