●サンプルシナリオ:不可解な”不可解な面晶体”の探索
 サンプル・シナリオを例として、GMがシナリオを進行するのに必要なルールと注意点を書きます。

シナリオ概要:
 ストーリー上のPC達の目的は「遺跡に隠された”不可解な面晶体”を手に入れること」です。

 冒険パートでは、妨害や罠やクリーチャーを排除しながら、遺跡を探索。
 戦闘パートでは、同じく”不可解な面晶体”を狙うPW(ボス)と戦います。
 戦いに勝った方が、”不可解な面晶体”を手に入れるというわけです。

 ボスは、「競争相手の盗賊に、用心棒として雇われたPW」という立場。
 そのため、どのようなキャラでもOKです。
 とりあえず、今、手元にあるデッキからボスキャラを作るのが楽でしょう。
 ボスの設定を思いつかなければ「主人公たちと同じ特務魔導士(冒険者みたいなもの)のPWで、今回は用心棒の依頼を受けた」で良いでしょう。

 PCの人数は3人を想定しています。
 冒険パートは、短めの5シーン。
 この間に、「手札5枚ライフ12点」までリソースを削ることを目標にしています。

▼概要のルール&シナリオの運用方針
シナリオ概要は、PLには伝えない。
 シナリオの概要は、GMがシナリオ全体を把握するための文章です。

GMはシナリオを変える権限を持つ。
 GMは、シナリオの一部あるいはすべてを変えることが出来ます。
 例えば「シナリオがより面白くなる」と判断するなら、トラップの内容を変えたりシーンを増やしたりできます。

 アドリブでシナリオを変えることもできますが、慣れない内は、シナリオ通りするのが無難でしょう。
 特に、シナリオが破綻するような予想外の行動を、PCがしようとした場合。
 アドリブで、無理につじつまを合わせようとせず、丁寧に謝って、
 「その行動は想定できていなかったので、止めてほしい」と言いましょう。

 
●冒険パート
導入(最初にPLに知らせる情報):
 あなた達は、特務魔導士(=冒険者みたいなもの)として、何回か共に仕事をしたPW仲間です。
 今回は、高額の報酬と引き換えに、ゼンディカー次元にある”不可解な面晶体”をとってくる依頼を受けました。

 ”不可解な面晶体”のある遺跡は、すでに発見しています。
 しかし、同時に”不可解な面晶体”を狙う盗賊がいるというウワサも耳にします。
 
 先を越されては面倒です!
 あなた達は、急いで、”不可解な面晶体”のある遺跡に、突入したのでした。

▼導入のルール&シナリオの運用方針
・シナリオ開始時の最初に、プレイヤーに話す情報。
・何も質問がなければ、そのまま、シーン1の説明にうつる。
 PCが具体的な行動判定が出来るのは、シーン1が始まってから。
・PCは、ここに書かれた以外の予備知識を持っていない。
 依頼人の名前など、設定されていない部分はGMがテキトーに決めてよい。

シーン1.最初の部屋
最初からPCに伝える情報
 石造りの正方形の部屋。
 入口とは反対側に、壊れた扉が1つある。

 石壁には、文字のような見事な彫刻が施されている。
 床には、壊れた石像の残骸が2つある。
 
 天井のヒビから差し込む光で、盛大にホコリが舞っているのが見える。
 PC全員に、緑判定(難易度:3)を行ってもらう。
 失敗すると、ホコリを吸って、せきかクシャミをしてしまう。
 大きな声が遺跡中に響くが、それ以上のペナルティはここでは無し。
 
 以下の判定が出来ることを、PCに伝える。
・青判定(難易度:4)で壁の文字を調べる。
・黒判定(難易度:3)で石像の残骸を調べる。
・黒判定(難易度:2)で奥の壊れた扉を調べる。
 この後、「可能だと言った以外の判定や行動もとれる。積極的に質問や申し出をしてほしい」と伝える。
 
質問された場合のみ伝える情報 
 黒判定(難易度:非公開)で床を調べることが可能。

判定に成功して分かること(成功した場合のみ伝える)
 壁の文字を調べる青判定(難易度:4)に成功したなら、壁の文字は面晶体に使われている魔法文字で、侵入者を阻むバリアを発生させていたと分かる。
 ただし、すでにバリアは解除されている。
 (4)(青)のエンチャントあつかい。
 このエンチャントを別の部屋で使うことは出来ない。
 石像の残骸を調べる黒判定(難易度:3)に成功したなら、この石像がゴーレムのようなものであり、つい最近(数時間前)壊されたことが分かる。
 扉を調べる黒判定(難易度:2)成功したなら、(数時間前に)鍵が壊されていることが分かる。
 成功度が4以上なら、鍵が壊されたのは、入口側(つまりPC達がいる部屋の方向)からだと分かる。
 扉の向こうは、暗い一直線の廊下になっているようだ。 

 床を調べる黒判定(難易度:2非公開)に成功したならば、泥の靴跡を発見。
 「数人の人間が、つい数時間前、この部屋を通って奥に行った」ことが分かる。
 さらに、成功度が4以上だった場合のみ、「人数は、たぶん5人。」「足跡の形からして、別の次元から来た者が1人いる」と伝える。

▼シーン1のルール&シナリオの運用方針
・可能な判定を説明した後、「可能だと言った以外の判定や行動もとれる。積極的に質問や申し出をしてほしい」と説明する。
・「行動判定をした後に伝える情報」「質問された場合のみ伝える情報」を、最初から言わないように注意。
・PCが「難易度:非公開」の判定に失敗した場合。
 「失敗した」と伝えず、「特に何も気づかなかったし、見つからなかった」と伝える。
 PCに「本当に何もないのか、判定に失敗したのか」考えるのを楽しんでもらうため。
設定が決まっている場所以外を調べたいとの申し出があった場合。
 黒判定(難易度:非公開)で調べることを許可。

 ただし、結果は常に「特に何も気づかなかったし、見つからなかった」である。


シーン2.廊下
最初からPCに伝える情報
 扉の向こうは、不自然なくらい真っ暗な一直線の廊下。
 松明などの明かりをつけていても、不思議なことに視界は1mほどしかない。
 暗くて先は見通せないが、廊下は、結構長く続いていそうに見える。

 この廊下は幅が狭く、2人が横に並んで歩くことは出来ない。
 (PCが妖精や小人の種族でも無理! ここはゲーム的に処理する。)
 PCに、どのような順番で進むかを宣言してもらう。

 以下の判定&行動が出来ることを、PCに伝える。
・緑判定(難易度:5)で音や空気のながれ等を感じて廊下の先の様子をうかがう。
・青判定(難易度:4)で不自然な闇を調べる
・黒判定(難易度:非公開)で右の壁を調べる
・黒判定(難易度:非公開)で左の壁を調べる
・廊下の奥に進む
 「説明した以外の行動も可能。何かあったら、申し出、質問して欲しい」と伝える。

質問をされた場合のみ伝える情報
 黒判定(難易度:非公開)で、床を調べることが出来る。

 扉に近づいている場合、緑判定(難易度:4)で扉の先の気配を探ることが可能。
 成功したら、殺気だった複数の人間が潜んでいる気配を感じる。
 PCが何らかの挑発等をしても、扉の向こうの人間は廊下まで出て来ない。
 廊下から扉の向こうの相手は見えていないので、呪文、能力の対象にすることは出来ない。
 すべてのクリーチャーに影響を及ぼす能力も範囲外。

 黒判定(難易度:非公開)で天井を調べられる。
 天井を調べる判定は、魔法の闇が除去されているか、判定するPCが緑判定に成功していれば、難易度4。
 それ以外なら、難易度6。
 成功すると、「入口の上の天井が開いて、何かが落ちてくるトラップがあるようだ」と分かる。
 床にスイッチがあることまでは分からない。

判定に成功して分かること(成功した場合のみ伝える)
 廊下の様子をうかがう緑判定(難易度:5)に成功すると、15mほど先、廊下の突き当りに壊れた扉があることが分かる。
 そして、廊下が、下り坂となっていることにも気付く。

 闇を調べる青判定(難易度:4)に成功した場合、闇の正体が「(2)(黒)のエンチャントあつかいの魔法の闇」であることが分かる。
 このエンチャントがある限り、室内は闇に閉ざされ、照明器具などがあっても1m先までしか見えない。
 これを除去するには、エンチャントを破壊する呪文や能力が必要。

 左の壁を調べる判定の難易度は、魔法の闇が除去されているか、判定を行うPCが緑判定に成功しているなら2。
 それ以外なら4。
 成功すると、つい1時間ほど前につけられた、矢印型のひっかき傷が見つけられる。
 冒険者や盗賊などが、遺跡で迷わないためにつける目印のようだ。
 右の壁は、判定に成功しても何も見つからない。

 床を調べる黒判定の難易度は、魔法の闇が除去されているか判定するPCが緑判定に成功していれば、難易度2。
 それ以外なら、難易度5。
 成功すると、廊下を7mほど進んだところで、床にスイッチ式のトラップを発見。
 床がなめらかで、奥に行くにしたがって下り坂になっていることにも気づく。
 見つければ、スイッチを踏まずに通ることが出来る。

トラップに気づかずに、廊下の奥に進んだ場合。
 何も気づかずに廊下を進むと、7mほど進んだところで、スイッチを踏んでしまう。
 入口側の扉の上の天井が開いて、巨大な丸い石が落ちてくる。
 石は、下り坂の廊下を転がって、PC達を押しつぶそうとする。
 「無色0マナで、トランプルを持つ、6/4のアーティファクト・クリーチャー石」が、各PCに1回ずつ攻撃してくるあつかい。
 赤判定(難易度:5)で回避するか、クリーチャーでブロックしても良い。
 ただし、回避に失敗してから、ブロックを行うことは出来ない。
 この時、隊列で後ろのPCから順番に攻撃される。
 後ろのPCの時点で石が破壊されれば、前のPCは攻撃されずに済む。
 石への戦闘ダメージ、攻撃力へのマイナス修正なども持続。

 転がった後、巨大な石は、廊下の突き当りの扉前で止まる。
 そして、魔法で天井裏に戻っていく(破壊されていなければ)。
 

シーン2.▼ルール&シナリオの運用方針
・トラップが作動した場合、即座に戦闘フェイズに入る。
 トラップが作動したのを確認してから、メインフェイズにしかできない行動をとることは出来ない。
・誰かが「廊下の先に進む」と言った場合、必ず全員に確認を取る。
 さり気ない口調で。

シーン3.二つ目の部屋
最初からPCに伝える情報
 最初の部屋と同じく、石造りの正方形の部屋。
 入口とは反対側に、扉が1つある。

 PCが行動をする前に、3人の盗賊風の魔法使いが、待ち構えていたように攻撃してくる。
 (アンタップ、アップキープ、ドローの後のタイミング。ソーサリータイミングの行動は不可。)
 武器は精神毒を塗った短剣。
 「(1)(黒)で”戦闘ダメージを与えたプレイヤーはランダムに手札を1枚捨てる”を持つ、2/1の人間・ウィザード」が、各PCそれぞれに、1体ずつ攻撃。
 1回の攻撃の後、盗賊魔法使いたちは、撃退されたあつかいになる。
 撃退された盗賊魔法使いは、生きているが「(1)(黒)人間0/1 攻撃もブロックもできない」になったあつかい。

 ただし、部屋1で誰もせきやくしゃみをしておらず、廊下でもトラップを避けていた場合、盗賊魔法使いはPCの接近に気づいていない。
 その場合、PCは、攻撃される前に3ソーサリー時間、行動をすることが出来る。

  なお、戦闘後生きていた場合、盗賊魔法使いは、
 「宝はあきらめるから、命だけは助けてくれ。俺たちは雇われただけなんだ」と言ってくる。
 縛るなら縛れるし、止めを刺すことも可能。
 
質問をされた場合のみ伝える情報
 呪文、能力、クリーチャーによるブロックで盗賊魔法使いを破壊する場合、殺さずに手加減することが出来る。
 手加減した場合も、盗賊魔法使いは、「(1)(黒)人間0/1 攻撃もブロックもできない」となる。
 
 以下の判定が出来ることを、PCに伝える。
・白判定(難易度:非公開)で盗賊魔法使い(生きているなら)を尋問。
・扉の先へと進む
・黒判定(難易度:非公開)で扉を調べる

判定に成功して分かること(成功した場合のみ伝える)
 盗賊を尋問する白判定の難易度は4。
 失敗しても、”不可解な面晶体”を狙った盗賊であること、透明な炎を操る魔法使いに探すよう頼まれたと自白する。
 透明な炎を操る魔法使いに関しては深くは知らず、今回も同行していない。
 成功すると「まだ、盗賊団の首領が、スゴイ魔法使いの用心棒と一緒に、奥に進んでいった」ことを自白させられる。
 成功度が4以上なら、仲間にスゴイ魔法使い(=ボスキャラ)がいることと、そのデッキの色も自白する。

 黒判定で扉を調べても何も見つからない。
 カギはかかっておらず、トラップの類も見つからない。
 隣の部屋にも、見たところ、特に敵やトラップはなさそうだ。

シーン3の▼ルール&シナリオの運用方針
・「成功度」とは、「達成値-目標値」である。
 例えば、達成値5で目標値が4なら、成功度は1。
 判定に成功したなら、成功度は、ほぼ必ず0以上になる。
・全員が次の部屋に入ったということを、さり気なく確認する。 
 

シーン4.魔法陣の部屋
最初からPCに伝える情報
 扉の奥も、やはり、今までと同じ正方形の部屋であった。
 
 あなた達全員が部屋に入ると、魔法で入口側の扉が閉まる。
 閉じ込められた!
 そして、床に、赤く輝く魔法陣が出現。
 赤い輝きは、徐々に増してくる。

 前方には頑丈そうな扉が1つ。
 鍵がかかっているか等は分からない。

 ここでは、行動に制限時間がある。
 4ソーサリー時間たつと、何かが起こる。

 以下の判定&行動が出来ることを、PCに伝える。
・扉を調べる黒判定(難易度:非公開。)。(1ソーサリー時間消費)
・扉を開けて次の部屋へ移動。(1ソーサリー時間消費)。
・床の魔法陣を調べる青判定(難易度:2)(1ソーサリー時間消費)。
・閉ざされた入口の扉を破壊する赤判定(難易度:8)(2ソーサリー時間消費)。
 もちろん、呪文を唱えたりもできる。

 複数のPCが同じ判定をすることは出来ますが「同じタイミングで」同じ判定をすることは出来ない。
 要は、鍵穴が1つしかないのに、2人が同時にピッキングすることは出来ないということですね。
 ただ、次の部屋に移動などは、同じタイミングで可能。

質問された場合のみ伝える情報
 入口の扉を破壊すれば、廊下に戻ることが出来ます。
 閉ざされた入口の扉は0/8のアーティファクト・クリーチャー扱い。
 部屋から廊下に出たり、再入室したりしても、シーンは変わりません。
 再入室して、制限時間なし(魔法が来そうになったら室外に出ればよいので)で鍵を開けて次の部屋に行けば、次のシーンに移行します。

 
判定に成功して分かること(成功した場合のみ伝える)
 扉を調べる黒判定(難易度:5)に成功すると、扉に鍵がかかっており、神経毒の罠があることが分かる。
 調べずに開けると毒ガスが噴き出す。
 PC全員が緑判定(難易度:4)を行う。
 失敗したPCは、手札を2枚捨てる。
 罠の存在に気づけば、避けることが可能。
 そして、以下の判定が出来ることを伝える。
・扉の鍵を開ける黒判定(難易度:4)(2ソーサリー時間消費)
 また、扉は破壊不能を持つ0/8のアーティファクト・クリーチャー扱いであることも伝える。
 
 床の魔法陣を調べる青判定(難易度:2)に成功したなら、部屋の中で時間切れになると、一番ライフが多いPCを対象に《溶岩の斧》が唱えられることが分かる。
 ライフが一番多いPCが2人以上いる場合は、全員に1回ずつ唱えられる。
 ただし、全員のライフが12点以下の場合は、「ここから立ち去れ」というメッセージが出るだけで、何も起こらない。
 (4)(赤)ソーサリー プレイヤー1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。溶岩の斧はそれに5点のダメージを与える。
 なお、この魔法陣を破壊すれば、呪文は唱えられない。
 魔法陣は、(7)(赤)のエンチャントあつかいであることも伝える。


▼シーン4のルール&シナリオの運用方針
・「1ソーサリー時間(1st.)=ソーサリー呪文を1つ唱えるのにかかる時間」。
 GMは、冒険パートのシーンに制限時間をもうけることができます。
 そのときに使う時間の単位が「ソーサリー時間(st.)」です。
 ソーサリー呪文やクリーチャー呪文を唱えたり、ソーサリー・タイミングにしか使えない能力を使ったり、土地を出したりするには、1ソーサリー時間かかります。
 必要ならば、めやすとして「1ソーサリー時間は、だいたい3秒としてあつかってください。
 ただし、大事なのはあくまで「1st.=ソーサリー呪文を1つを唱えられる時間」という点。
 GMが必要と判断したなら、「1st.=3秒」としなくても構いません。
 フレーバー的に言えば「近くの力線などの影響で、同じ呪文を唱えるのにも、場所によってかかる時間が違う」感じですね。
 上記のように、呪文以外の行動にどれだけの時間がかかるかも、ソーサリー時間で表します。
 PCが、シナリオに書かれていない行動をとろうとした場合、どれだけの時間かかるかは、GMが判断します。
 調べる系の行動は1st.それ以外は2st.とすればよいでしょう。
 ただし、明らかに長時間かかる行動の場合は、より長く設定しましょう。

 
シーン5.”不可解な面晶体”
最初からPCに伝える情報
 まず、このシーンが終わったら、戦闘パートに入ることを伝える。

 扉の向こうは、ひと際、立派で大きな部屋だった。
 石の天窓から日光が差し、部屋の中央の”不可解な面晶体”を照らしている。
 部屋の奥は、巨大な”不可解な面晶体”があるため見通せない。

 盗賊魔法使いの首領らしき男が、今まさに”不可解な面晶体”の封印を解こうとしている。

 男が封印を解くまで2ソーサリー時間。
 
 以下の判定&行動が出来ることを、PCに伝える。 
・首領を取り押さえようとする緑判定(難易度:4)(1ソーサリー時間消費)。
・首領にクリーチャーで攻撃(1ソーサリー時間消費)。
・首領を説得しようとする白判定(難易度:4)(1ソーサリー時間消費)。

質問された場合のみ伝える情報
 盗賊の首領は、プレイヤーを対象とした呪文や能力の対象になれる。
 青判定(難易度:3)時間消費無しで、首領の能力値を見破れる。
 盗賊の首領は「(2)(黒)3/3」あつかい。
 クリーチャーあつかいですが、プレイヤーを対象にした呪文・能力の対象にもなれます。手札もライブラリーもないため、ほぼ、無駄になるでしょうけど。
 成功した場合、上記の情報と「精神腐敗を唱えることが出来る」ということが分かります。

 緑判定(難易度:3)(1ソーサリー時間消費)で部屋の奥を調べられる。
 成功すれば、ボスの魔力や気配を感じて、ボスデッキの色と、使う呪文(GMの任意)が1つ分かります。
 また、横に移動して、”不可解な面晶体”の奥が見える場所に移動(2ソーサリー時間消費)しても同じことが分かります。
 なお、この時点では、ボスキャラは、目視はされていません。
 だから、呪文・能力の影響を受けたり、クリーチャーの攻撃を受けたりはしません。
 
判定に成功して分かること(成功した場合のみ伝える)
 首領を取り押さえようとする緑判定に成功した場合、捕まった首領は
「センセイ! お願いします。自慢の(ボスキャラの使う呪文名)でコイツらを!」と叫びます。
 1ソーサリー時間はキャンセルされて、冒険パートが強制終了です。
 誰かがこの判定に失敗した場合も、冒険パートは強制終了します。
 盗賊の首領は「センセイ、お願いします」とだけ言って、ボスを呼びます(後述の吹き矢攻撃はしてくる)。


 クリーチャーの攻撃などで魔法使いの首領を死亡させた場合も、断末魔で「センセイ! お願いします」とだけ叫びます。
 この場合も、すぐに冒険パートが終了します。

 首領を説得しようとする白判定に成功した場合、首領は少し迷います。
 追加で、2ソーサリー時間行動が出来るようになりますが、結局、説得には応じません。
 (連れてきているなら)盗賊魔法使いを人質にした場合は、首領は彼らを見捨てます。
 金で雇った相手だから。
 盗賊魔法使いは前の戦闘で力を失っているので、首領を攻撃させるなどのことは出来ません。


 冒険パートの終了時、盗賊の首領が取り押さえられておらず、生きていた場合。  
 吹き矢で、手札が一番多いPCを攻撃します。
 手札が一番多いPCが2人以上いた場合は、その全員に吹き矢で攻撃します。
 吹き矢は、《精神腐敗》が唱えられたあつかいです。
 (2)(黒)
 ソーサリー
 プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。

▼シーン5のルール&シナリオの運用方針
・シーン強制終了のイベントがあるので、どのPCがどういう順番で行動したかしっかり確認。
・大事なのは「冒険パート中に、ボスへダメージを与えられない」こと。
 冒険パートの5シーン目なので、PC側は多くの土地やクリーチャーを展開しているでしょう。
 まだ手札もパーマネントもないボスが、PCから攻撃を受けると、下手をすると即死します。
 戦闘パートを面白くするために、PLが「ボスを攻撃したい」と申し出てきても「目視できる位置にいないのでダメ」とキッパリと断りましょう。
・「誰が何st.目に何をしたか?」の管理が重要。
 シーン4でもそうですが、時間制限があるシーンでは、PCそれぞれがどのような順番で何をしたかに気を付けましょう。

●戦闘パート
最初からPCに伝える情報
 ルールに従って、まずは、手札を引いて1ターン目が始まる寸前まで進める。
 そして、部屋の奥からボスキャラが登場。

 「ドーモ、初めまして○○=サン。よろしくお願いします」とアイサツした後、ボスキャラの設定に合ったカッコいいセリフで啖呵を切りましょう。
例:「こちらも仕事でな、気の毒だが、倒されてもらうぜ」
 盗賊や首領は、人質にはなりません。
 首領は「俺にかまわずコイツラを倒せ」といいます。

 ボスのセリフに対して、PCが言葉を返してから、1ターン目開始です!
 敵がしゃべっている間は、まだ1ターン目は始まっていません。
 誰も優先権を得ず、能力起動も呪文を唱えることもできません。

 ボスキャラが勝利すれば、PC達は、プレインズウォークでその場から逃げます。
 そして、”不可解な面晶体”は、ボスキャラのモノになります。
 ボスキャラは、面正体をもって、遺跡を出てゆきます。
 後日、PCが遺跡に戻ってきたとき、”不可解な面晶体”は消えています。
 生きているなら、盗賊の首領や盗賊魔法使いも、一緒に逃げているでしょう。

 主人公側が勝利すれば、ボスキャラが、プレインズウォークで逃げていきます。
 PCの実力を認める、カッコいい捨てセリフを吐きましょう!
例「これほど強い相手がいるとは、誤算だ。次に会う時を楽しみにしておこう!」

 ”不可解な面晶体”は、PC達のモノです。
 (巨大な面晶体ですが、魔法で小さくなる機能がついています)
 謎めいた依頼主は、約束通り高額の報酬を払ってくれます。
 依頼は成功です!

▼冒険パートのルール&シナリオの運用方針
戦闘パートのルールの補足
 ボスが1人の場合、PCが2人以上いるなら、ボスは以下の3点のハンデを得ることを選んでも構いません。
1.初期手札が、9枚になる。
2.初期ライフが、40になる。
3.準備のための1ターンを得る。

ハンデの流れ
①ボスが初期手札を9枚引く。
 マリガン等のルールは通常通り。
②ボスが、準備のための1ターンを得る。
 1ターン目開始直前、ボスは準備のための1ターンを得る。
 準備ターン中、ボスがPCに攻撃することは出来ない。
 準備ターン中、PCは、呪文や能力の影響を受けない。
③MTGの1ターン目が始まる。
 ただし、ボスの手札の上限は9枚。
 初期ライフは、40点である。



 また、ボス戦の対戦相手は、通常のデッキではなくても構いません。
 例えば、「大群デッキ」や「プレインズウォーカーカード(かそれと同じあつかいの敵)」などです。
 それらの通常デッキとは異なるボスが、特殊勝利条件(「忍耐の試練」など)や特殊敗北条件で敗れた場合、「本来の敗北条件が満たされて負けたもの」としてあつかいます。
 大群デッキなら、特殊勝利条件でPCが勝った場合でも「戦場のクリーチャーがいなくなり、デッキ枚数が0になった」あつかい。
 プレインズウォーカーカードなら「忠誠度が0になり、墓地に置かれた」としてあつかいます。
 
 また、通常のライブラリーが存在しない敵に対して、「ライブラリー上のカードをX枚墓地に置く」「X枚カードを引かせる」呪文や能力の効果がおよんだ場合、敵ごとにXの数を記録します。
 そして、1人の敵のXの数が累計で45枚以上になった場合、その敵は特殊敗北条件を満たしたものとしてあつかいます。
 例えば、プレインズウォーカー型の敵と大群デッキの敵と戦っている場合。
 通常のMTG対戦では、すべてのプレイヤーにカードを引かせる《繁栄》を唱えても、敵側には何も起こりません。
 しかし、「MTGでTRPG」の戦闘では、プレインズウォーカー型の敵と大群デッキの敵が、それぞれ何枚のカードを引いたかを記録します。
 ただし、ライブラリーの半分を墓地に置く《心の傷跡》等の場合、ライブラリーがないと、何枚のカードを墓地に置くかを決められません。
 そのような場合は、プレインズウォーカー型の敵には何も起こりません。
 また、記録するのは、「呪文や能力の効果によって、引いたり墓地に置かれたりするであろうカードのみ」です。
 ドローフェイズに引くであろうカードに関しては、記録しないでください。  


↓「MTGでTRPG」基本ルール もくじ
https://leveler.diarynote.jp/201810302255155250/
↓基本ルール 5章 GM向けのルール
https://leveler.diarynote.jp/201811192321172150/

 「MTGでTRPG」は、まだまだ、改良中のハウスルール(遊び方)です。
 「MTGでTRPG」に関して、ご意見・ご感想等ありましたら、コメント欄に書いていただけると嬉しいです。

 今回は、以上です!

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