行動判定のルール(19.5.版)

 行動判定とは、PCの行動が成功したか失敗したかを決めるためのルールです。
 GMが「その行動は、成功する可能性も失敗する可能性もある」と判断した場合、PCが行動判定を行います。
 例えば、「PCが忘れていた知識を思い出そうとする」「重そうな岩を持ち上げようとする」等のときです。
 行動判定の基本は、ライブラリーの上から1番目と2番目のカードを公開して、「点数で見たマナコスト」を比較することです。


行動判定-1節 行動判定の流れ

■1■判定の種類・難易度の決定
 GMが、判定の種類と難易度を決める。
 判定の種類は、白、青、黒、赤、緑(か色のない判定)の内1つ。
 難易度は、だいたい0~8くらいの数字。
 数字が大きいほど、行動判定の難易度が上がります。
 例えば、赤判定(難易度:4)というように決めます。

■2■目標値の決定
 判定を行うプレイヤーは、ライブラリーの上から1番目と2番目のカードを公開。
 なお、プレイヤーがライブラリーの上にあるカードが何かを知っている場合。
 公開する前に、プレイヤーに知られているカードをすべて追放する。
 追放されたカードは、行動判定終了時にライブラリーの上に同じ順番で戻す。
 1番目に公開したカードの「点数で見たマナコスト」に、■1■で決めた難易度を足す。
 これが、目標値。


■3■達成値の決定
 2番目に公開したカードの「点数で見たマナコスト」に、判定の種類ごとに異なる「色の修正」を足す。
 これが、達成値。

 「色の修正」は、「判定の名前と同じ色なら+5、その友好色なら+3、対抗色か無色なら+0」です。
 また、大事な点として、基本土地タイプを持つ土地は、基本土地タイプに対応する色としてあつかいます。
 例えば、《森》は本来無色ですが、緑としてあつかいます。
 (色の修正について詳しくは、このページの2節)
 また、達成値が決定されたタイミングで、1シーン1回だけ「行動判定ブースト」を試みることができます。
 ライブラリー上6枚のカードを追放し、無色の枚数分達成値が上がります。
 行動判定ブーストについて、詳しくは、このページの4節。

■4■判定結果の決定
 達成値が目標値以上なら、行動判定は成功。
 未満なら失敗。
 つまり――
 判定成功:目標値<=達成値
 判定失敗:目標値>達成値
 例外として、1番目に公開したカードが、ゲーム開始時に決めた3枚の内の1枚であった場合、判定は自動で失敗。
 2番目に公開したカードが、ゲーム開始時に決めた3枚の内の1枚であった場合、判定は自動で成功。
 詳しくは、3節の「自動成功、自動失敗のルール」。
(19.7.24.)

■5■公開したカードをライブラリーの一番下へ
 公開した2枚のカードは、無作為の順番で、ライブラリーの一番下に置く。

 例えば、PCが「重い石の扉を、腕力でこじ開ける」ことを試みた場合。
 まず、GMが、この判定は「身体の緑判定」であり、難易度は2であると決めます(■1■)。
 次に、判定を行うPCが、自分のライブラリーの一番上のカードを公開。
 それが、《エルフの神秘家》なら、点数で見たマナコストは1。
 それに難易度の2を足して、「1+2=3」が目標値になります(■2■)。
 判定を行うPCは、2枚目のカードを公開します。
 2枚目に公開したカードが《ルーン爪の熊》なら、点数で見たマナコストは2。
 《ルーン爪の熊》は緑なので、身体の緑判定では+5(最大)の修正を受けられます。
 達成値は、「2+5=7」です(■3■)
 達成値7は、目標値3以上なので、判定は成功です(■4■)。
 最後に、《エルフの神秘家》と《ルーン爪の熊》を裏向けてシャッフルした後、ライブラリーの一番下に置きましょう(■5■)。
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行動判定-2節 行動判定の種類と「色の修正」
 行動判定は、基本的に、以下の5種類です。
 5種類の判定で何が出来るかは、その都度GMが決めます。
 ↓を参考にしてください。
 https://leveler.diarynote.jp/201709122121195567/
■白判定
 白いデッキが得意として、対抗色(赤黒)が苦手とする。 
 集団を統率できるか? 味方を攻撃からかばえるか? 傷を手当て出来るか? 誘惑をはねのけられるか? 社会的地位があるか?
 例: 怪我人のNPCに応急処置ができるか?
 情報収取の際、偉い人とコネクションがあるか?

■青判定
 青いデッキが得意として、対抗色(緑赤)が苦手とする。
 知っているか? 推理を上手くできるか? 道具を作ったり、使ったりできるか?
 例:古代魔法語を読めるか?

■黒判定
 黒いデッキが得意として、対抗色(白緑)が苦手とする。
 盗賊の技術をうまく使えるか?
 法律やモラルを無視して、思い切った行動がとれるか?
 自らの意志をブレずに持ち続けることが出来るか?
 例: 針金で、カギを開けられるか? 

■赤判定
 赤いデッキが得意として、対抗色(白青)が苦手とする。
 モノを壊せるか?
 素早く判断できるか?
 感情を煽ったり、燃やしたりできるか?
 例:一瞬前に、相手の奇襲に気付けるか?
 短距離走など、瞬発力のいる運動をうまくできるか?
 ピンチの場面で良い考えが思いつくか? 

■緑判定
 緑のデッキが得意として、対抗色(青黒)が苦手とする。
 肉体を使って、重いモノを動かせるか?
 運動が上手くできるか?
 観察して何か(匂い、音含む)を見つけられるか?
 例:道をふさぐ岩を動かせるか? 
 食べてしまった毒に耐えることができるか?


 行動判定の達成値を決めるために公開したカードの色と、判定の種類によって、達成値にプラス修正が加えられます。
 判定の名前と同じ色なら+5、その友好色なら+3、対抗色か無色なら+0。
 ただし、基本土地タイプを持つ土地は、対応する色としてあつかう、という点に注意してください。

     白判定 青判定  黒判定 赤判定 緑判定
白か平地: +5   +3   +0   +0   +3
青か島 : +3   +5   +3   +0   +0
黒か沼 : +0   +3   +5   +3   +0
赤か山 : +0   +0   +3   +5   +3
緑か森 : +3   +0   +0   +3   +5
 上の横列が、判定の種類。
 左の縦列が、達成値を決めるために公開したカードの色。
 交点が「色の修正」です。
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行動判定-3節 クリティカル・カード自動成功と自動失敗
 クリティカル・カードとは、行動判定の目標値と達成値を決めるとき、特別な扱いをするカードです。
 特定の条件を満たすと、目標値と達成値の値に関係なく、判定結果が自動で決まります。
 あらかじめ、ゲーム開始時に、デッキのメインボードに入っているカードの内3枚を、自由に指定します。
 指定したカードを「クリティカル・カード」と呼びます。
 クリティカル・カードが、目標値や達成値を出す際(1節の■2■、■3■)に公開された場合、「マナコスト20のカード」としてあつかう、
 行動判定の目標値を出すときに指定したカードが公開されれば「自動的失敗」
 逆に、達成値を出すときに指定したカードが公開されれば「自動的成功」
というルールです。

 具体的なルールは以下の通り。

■1■3枚のクリティカル・カードを指定
 シナリオ開始時、デッキをシャッフルする前に、デッキ内のちょうど3枚のカードを「クリティカル・カード」として指定する。
 指定したカードは、表面を見れば、他のカードとハッキリ区別できるモノでなければならない。
 例えば、そもそもデッキに3枚しか入っていない同名カードなら、一目で他のカードと区別できます。
 あるいは、一番多く入っている基本土地の内、指定した3枚だけを裏向け、逆向けでスリーブに入れておくのも良いでしょう。
 余裕があるなら、「基本土地の内、指定した3枚だけフルアート土地」などにしてみても良いかもしれません。
 「同じ絵柄の森が20枚入っており、そのうち3枚だけエキスパンションシンボルや絵柄が微妙に違う」等は、やめておいた方が無難でしょう。
 どの森が指定されたものか「一目で」分かりませんので。
 他のどのような方法でもよいので、指定したクリティカル・カードは「表面を一目みるだけで、他のカードと誤認する可能性が少ない」ようにしてください。
 もちろん、通常のMTGのルール違反とならない方法で!

 大事な点として、指定したカードは、サイドアウトできません。
 逆に言えば、指定するカードは「常にデッキのメインボードに入っているカード」にしてください。
 また、統率者戦(EDH)のデッキの場合は、3枚ではなく、ちょうど5枚のカードを指定してください。

■2■行動判定中は「点数で見たマナコスト20」あつかい
 行動判定の過程で達成値と目標値を決めるときに公開された場合のみ、クリティカル・カードは「点数で見たマナコストが20」としてあつかう。
 点数で見たマナコスト以外は、元のカード通り。
 行動判定の間以外は、点数で見たマナコストも元のカード通り。

 例えば、緑判定(難易度:5)の場合。
 目標値を決める際にクリティカル・カード《甲鱗のワーム》が公開されたら、目標値は25。
 (=点数で皆マナコスト20+難易度5)
 達成値を決める際にクリティカル・カード《甲鱗のワーム》が公開されたら、達成値は25である。
 (=点数で皆マナコスト20+緑の色の修正5)
■2■目標値を決める際に公開 →失敗
 行動判定時、目標値を決めるために公開したカードが、指定したカードであった場合、その判定は自動で失敗となる。
 目標値や達成値は関係なく、失敗。
 判定の都合で目標値が必要な場合は、20としてあつかう。

■3■達成値を決める際に公開 →成功
 行動判定時、達成値を決めるために公開したカードが、指定したカードであった場合、その判定は自動で成功となる。
 目標値や達成値は関係なく、成功。
 判定の都合で達成値が必要な場合は、20としてあつかう。

■4■ ■2■と■3■が同時 →やりなおし
 目標値と達成値を決めるために公開したカードが、両方指定したカードであった場合、公開されたカード2枚をランダムな順番でライブラリーの一番下に置く。
 その後、目標値と達成値を決め直す。
 ライブラリーに、指定したカードしか残っていない場合、行動判定は失敗となる。


■3■指定したカードも普通に使える
 指定したクリティカル・カードも、行動判定意外では、通常のカードと同じあつかい。
 例えば、手札にあれば、冒険パート中に手札から唱えることもできる。
(19.07.24)
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行動判定-4節 行動判定ブースト
 絶対に成功したい判定の場合、「行動判定ブースト」で達成値にプラス修正を加えることができます。
 まず、ライブラリーの上から6枚のカードを、シーン終了時まで追放。
 追放された「無色カードの枚数」だけ、その判定の達成値にプラス
します。
 例えば、「森」「山」「ルーン爪の熊(1)(緑)」「変異エルドラージ(欠色)」「甲鱗のワーム(7)(緑)」「ラノワールのエルフ(緑)」の6枚が追放された場合。
 無色は「森」と「山」と「変異エルドラージ」の3枚。
 なので、達成値に+3できます。

 具体的な手順は以下の通り。
■1■行動判定ブーストを宣言
 宣言のタイミングは、目標値と達成値が決定した後。
 行動判定ブーストを宣言できる回数は、冒険パートなら1シーンに1回。
 戦闘パートなら、1ターンに1回のみです。
 当然、1つの行動判定に対して、2回以上ブーストを宣言するということは不可能です。
 ライブラリーが6枚未満の時、行動判定ブーストの宣言は行えません。

■2■ライブラリーの上から6枚のカードを追放
 行動判定ブーストで追放したカードは、■5■の際に忘れないように「ライブラリーの上に横向きで置いておく」と良いでしょう。

■3■「無色のカード」の数だけ達成値にプラス
 追放された「無色のカード」の枚数だけ、達成値にプラス。
 通常のルール通り「基本土地タイプを持つ土地も無色」です。
 達成値を決めるときと違い、色あつかいにはしません。

■4■判定結果を確定
 通常の行動判定の手順通りです。

■5■シーン終了時に6枚のカードをライブラリーの下へ
 追放した6枚のカードは、冒険パートならシーン終了時。
 戦闘パートならターン終了時にランダムな順番でライブラリーの一番下に。
 ここでいう「シーンあるいはターン終了時」とは、終了フェイズ中のクリンナップステップのことです。
 「ブーストに使ったカードがライブラリーに戻る」というイベントは、スタックには乗らずにすぐに行われます。
 行動判定ブーストによって追放されたカードは、シーンあるいはターン終了時まで、いかなる方法でも追放領域を離れません。
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行動判定-5節 色の修正のない判定
 名前の通り「色の修正のない判定」とは、「達成値を決める際に、色の修正を足さない」判定のことです。
 色の修正がないため、どの色のデッキでも、有利不利がありません。
 主に「PCの得意不得意に左右されず、純粋に運だけの行動」の成否を判定するときに使われます。

 「色の修正のない判定」の具体的な手順は以下の通り。

■1■難易度の決定
 通常の判定と同じ。
 色の修正がないため、通常の判定よりも達成値が低くなる点に注意してください。
 難易度:1でも失敗の確率はそれなりにあります。
 難易度:5ならば「行動判定ブースト」を使わない限り、成功は難しいでしょう。
 
■2■目標値の決定
 判定を行うプレイヤーは、ライブラリーの上から1番目と2番目のカードを公開。
 1番目に公開したカードの「点数で見たマナコスト」に難易度を足す。
 これが目標値
となる。
 この点は通常の判定と同じ。

■3■目標値の決定
 2番目に公開したカードの「点数で見たマナコスト」が、そのまま達成値となる。
 色の修正がない判定の、通常とは異なる点はココです。
 例えば、2番目に公開したカードが、マナコスト(1)(緑)の《ルーン爪の熊》であろうと、(2)の《精神石》であろうと、達成値は2です。

■4■目標値の決定
 ここも通常と同じ。
 達成値が目標値以上なら、行動判定は成功。
 未満なら失敗。

■5■公開したカードをライブラリー下へ
 公開した2枚のカードは、無作為の順番で、ライブラリーの一番下に置く。

 例えば、PCが「コインを投げて運試しをする」ことを試みた場合。
 コインの裏表は、(イカサマをしない限り)完全に運次第です。
 GMは、色の修正のない判定(難易度:0)で決めるよう伝えます。 
 目標値で公開されたのは、マナコスト(0)の《島》。
 難易度は0なので、0+0で目標値は0です。
 達成値で公開されたのは、マナコスト(緑)の《ラノワールのエルフ》。
 色の修正のない判定なので、達成値は点数で見たマナコストそのままの1です。
 この結果は、コストが(赤)のカードでも同じです。
 達成値が1は、目標値0以上なので、判定は成功。
 1-0=1で、成功度は+1です。
 GMは「コインなげで勝利した」と結果を伝えます。
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行動判定-6節 行動判定の詳細
■達成値が2色以上なら、無作為にどちらかの色 
 達成値を決めるとき、2色以上のカードが公開された場合、どちらの色としてあつかうかは、ランダムに決める。
 例:身体の緑判定で、達成値を決めるために公開したカードが、緑と青のカードだった場合。
 緑としてあつかうか、青としてあつかうか、コイントスなどでランダムに決める。
 緑あつかいになれば、達成値の計算時に+5修正を得られる。
 青あつかいなら、+0修正しか得られない。
 ランダムに色を決める際、↓の選択ルールを使うこともできる。
 https://leveler.diarynote.jp/201707242131523219/

■ライブラリー操作で判定結果を変えるのは不可
 ライブラリー上にあるカードを、プレイヤーが知っている場合、判定の間のみプレイヤーに知られているカードをすべて追放する。
 ここで追放したカードは、判定終了後に、同じ順番でライブラリーの上に戻る。
 ライブラリーのカード全ての順番がプレイヤーに知られている状態で行動判定を行う場合は、ライブラリーをシャッフルしてから、行動判定を行う。
 ライブラリーのシャッフルは、■2■目標値の決定の前に行う。

 判定の手順中は《未来予知》などライブラリーの一番上を公開する効果を無視する。

■行動判定中に呪文を唱える、能力を起動することは出来ない
 行動判定の手順中は、いかなるプレイヤーも、優先権を得ない。
 例えば、目標値の決定と達成値の決定の間に、インスタント呪文を割り込ませることはできない。
 
■原則・行動判定のやり直し不可
 原則、1人のPCが、まったく同じ行動判定を2回以上行うことはできない。
 ただし、戦闘パート中の「逃亡判定」は例外。
 逃亡判定は、1ターンに1回ずつ行える。
 何らかの原因で難易度等が変わるなどして、まったく同じ判定ではなくなった場合は、再挑戦可能。
 同じ名前の回復アイテムを複数回使う場合等は「同じ判定」とはみなさない。
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↓「MTGでTRPG」基本ルール もくじ
https://leveler.diarynote.jp/201905082306171753/
↓基本ルール 3章 冒険パートのルール
https://leveler.diarynote.jp/201905202254378303/
↓基本ルール 4章 戦闘パートのルール
https://leveler.diarynote.jp/201905272136232350/

 「MTGでTRPG」は、まだまだ、改良中のハウスルール(遊び方)です。
 「MTGでTRPG」に関して、ご意見・ご感想等ありましたら、コメント欄に書いていただけると嬉しいです。
 
 今回は、以上です!
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稀神サグメさん
「(プロレスしてる)
 ……腕ひしぎ十字固めが決まった
 もう逃げられないわよ!」
戎瓔花(えびすようか)
「私には骨がないから
 簡単に抜けられるのよ!(ニュルン!と腕を抜く)」

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